インフルエンザの注射、妊婦は打っても大丈夫?赤ちゃんへの影響は?
冬になると色んな病気が流行して油断できませんよね。
特にインフルエンザは、その症状や感染力から警戒が必要な感染症です。
妊婦さんの場合、お腹の赤ちゃんのことを思うとインフルエンザに感染しないか不安と心配でいっぱいでしょう。
今回は「妊婦はインフルエンザの予防接種をうけていいのか?」や「予防接種は赤ちゃんに影響があるのか?」について解説します。
インフルエンザにかかったままお産をした私のママ友のツラい話もご紹介します!
目次
妊娠中にインフルエンザの予防接種って、打ってもいいの?
まず結論からいうと、妊娠中でも妊娠週数に問わずインフルエンザの予防接種を打つことはできます。
むしろ、妊婦さんだからこそインフルエンザの予防接種は打ってほしいです。
産院でも、インフルエンザの予防接種を推奨して実施しているところがたくさんあります。
私自身も妊娠中(長女は妊娠初期の3ヶ月の時、次女は妊娠後期の9ヶ月の時)に、医師から予防接種を強くすすめられて打ちました。
どちらも体調やお腹の赤ちゃんに影響はなく、問題は一切ありませんでした。
私の担当医は「インフルエンザの予防接種の副作用を気にするより、インフルエンザによって体調をくずす方がリスクがある」と言っていました。
ただでさえ、お母さんの体は赤ちゃんを育むためにフル稼働しています。
そんな中で病気になってしまうとお母さんの体への負担が大きくなってしまいます。
また、インフルエンザによる激しい咳でお腹が張ってしまうことも…
基本的には咳でお腹が張ってしまうことはあまり問題ないとされていますが、頻度が高かったりすると不安になりますよね。
お腹が張らないのが通常ですから…
インフルエンザになってからでは遅いので、妊婦検診を受けているクリニックに相談し、インフルエンザが流行する前に予防接種を受ける方がいいでしょう。
インフルエンザの予防接種による胎児への影響は?
インフルエンザの予防接種は「不活化ワクチン」です。
「不活性ワクチン」とは、死滅させたウィルスを使って作られているので毒性もなく、流産や早産、お腹の赤ちゃんへの影響はないとされています。
基本的には、「接種しても問題なし」と医師が判断している妊婦さん(卵アレルギーがある場合は注意です!)であれば「不活化ワクチン」は妊娠中でも接種しても大丈夫です。
また、次の動画でもインフルエンザの予防接種が赤ちゃんへの影響がないということをお伝えしています。
スウェーデンで多方面からインフルエンザの予防接種と赤ちゃんの死亡率についての調査を行ったところ「因果関係はない」と発表されたようです。
壮絶…インフルエンザでお産体験談
私のママ友で臨月にインフルエンザにかかり、そのままお産となった方がいます。
そのママ友から聞いた壮絶なお産体験談をご紹介します。
3人目にして初めての冬の出産となりました。
3回目の妊娠で慣れていたのもあり、完全に油断していました。
妊娠37週目ちょうどの午前中、妊婦検診では子宮口が柔らかくなっており、担当医には「予定日より前に産まれてきそうだね」と言われていました。
準備は整っていたし、もういつ産まれてきてもかまわなかったのでノンビリしていたら、何だか体がしんどい…
熱を計ってみると38度後半の熱があってビックリしました。
そうしている間にどんどん体調が悪くなっていき、夜には激しい咳で苦しんでいました。
あまりに体調が悪いので、次の日に病院を受診するとなんとインフルエンザでした。
息子たちの通う小学校と幼稚園でインフルエンザが大流行していたので、きっと参観の際にもらってきたのだと思います。
家事や子供の世話は、近所に住む母に任せて安静にしていましたが、激しい咳にお腹が張ってしまい赤ちゃんが大丈夫なのかとても心配になりました。
夜になると、咳でお腹が張っている…と思っていたのが、どうやら陣痛の始まりであることに気が付きました。
高熱でヘロヘロの体を引きずって主人を起こし、産院に連れていってもらいました。
産院には、事前にインフルエンザにかかっていることを伝えたせいか個室に通されました。
上の息子たちを出産したときと同じ産院でしたが、こんな個室に入ったのは初めてでした…(汗)
ベテランの助産師さんが、
「お母さん、インフルエンザと陣痛で大変だと思うけど、赤ちゃんは待ったナシだから!頑張ろうね!」
と、励ましてくれました。
どんなに高熱や咳で苦しくても定期的に押し寄せる陣痛、それもどんどん間隔は短くなり強くなっていく…
もうどうにかなりそうでした。
そしてその苦しみから3時間後、何とか女の子を出産しました。
お産最終段階で、助産師さんから「いきんで!」と言われても、同時に激しい咳が出てもう無茶苦茶でしたが、周りに支えられて何とか無事に産むことができました。
普通ならカンガルーケアをさせてくれる産院でしたが、今回は顔を見せてくれただけで、赤ちゃんはそそくさと別室へ連れていかれてしまいました…
そりゃ、生まれたての赤ちゃんに移してはいけませんもんね…
その後、入院中は授乳もロクに出来ず我が子とも触れあえない寂しい入院生活を送りました。
退院する頃には、インフルエンザもすっかりよくなっていましたが、お産の大変さも半端ではなかったし、生まれたての我が子と触れあえない寂しさがツラかったです。
「自然が1番!」と我が家はインフルエンザの予防接種をすることはなかったのですが、いつ何があるかわかりません。
大事な時にインフルエンザが被ってしまうとこんなに大変だということを今回初めて知りました。
これからは家族全員で予防接種をしようと思いました…
同じお産を経験した身としては、この話しを初めて聞いたときに鳥肌が立ちました(汗)
インフルエンザ単体でも自分に余裕がなくなるレベルなのに、それに陣痛やお産…!?
私なら気を失っているかも…
その後に生まれたての我が子と触れあえないというのもかなり寂しいですよね…
こんなツラくて寂しい思いをしないためにも、インフルエンザの予防接種はしておきましょう。
インフルエンザにかからないようにするには?
妊娠中は免疫力が下がっているのでインフルエンザをはじめ、あらゆる感染症に注意が必要です。
インフルエンザは、高熱や激しい咳、全身の倦怠感など、かかると大変苦しい思いをします。
インフルエンザにかからないようにするには、日頃の予防がとても大切になります。
- 部屋を充分に加湿する
- 外から帰宅したら、うがいや手洗いをする
- 外出の際は、必ずマスクを着用する
- バランスのとれた食事をとり、規則正しい生活をして体調を整える
- 予防接種を受ける
これら以外にも、軽い運動をするのもいいでしょう。
体を動かすことによって全身の血流がよくなり、抵抗力があがるのです。
つわりや安静指示で動けない妊婦さん以外は、気分転換や体重管理を兼ねてウォーキングすることをオススメします!
インフルエンザはかからないに越したことはないので、しっかり予防するようにしましょう。
予防接種をうけても、インフルエンザは完全に防げない!?
「インフルエンザの予防接種も受けたし、これでインフルエンザにかかることもないわ!」
と安心しているアナタ…
その認識には、少し間違いがあります。
実は、インフルエンザの予防接種をしたからと言って「絶対にインフルエンザにならない」というわけではないのです。
インフルエンザの予防接種は、
- インフルエンザになりにくくする
- インフルエンザになったとしても、症状が軽くなるようにする
という働きが主なのです。
「なんだ、結果インフルエンザが防げないなら、してもしなくても同じ!」
…いえいえ、それも早計です。
予防接種をしたことによって、していない場合よりも感染する可能性を低くすることができますし、もしかかったとしても重症化が防げるので回復も早いです。
インフルエンザにかかってから「あの時、予防接種をしていればこんなに苦しくなかったかも…いや、かからなかったかも…」と後悔してからでは遅いのです。
妊婦さんならなおさらです。
インフルエンザの予防接種は完全にインフルエンザを防げるものではありません。
しかし接種することによって「安心」を手にいれることができます。
インフルエンザの予防接種の恩恵を最大限に受けるためにも、日頃の予防もしっかり行い、健康的に過ごしましょう!
インフルエンザの予防接種と妊婦についてのまとめ
いかがだったでしょうか?
妊娠中は、病気に関して特に敏感になりますよね。
できるものはちゃんと予防しておきたいところです。
妊娠中にインフルエンザの予防接種をしても問題はないので、医師に相談してぜひ接種しましょう。
もし妊娠中にインフルエンザにかかろうものなら、今回ご紹介したようなママのように大変な出産になることもあります…
そうならないためにも、予防接種にあわせて、
- 部屋を加湿する
- うがいや手洗いをする
- 必ずマスクを着用する
- バランスのとれた食事をとり、規則正しい生活をして体調を整える
などして、インフルエンザをシャットアウトしましょう!