鏡餅を飾る意味は?子供向けに分かりやすく簡単に解説します!
2016/12/29
年末になると、どこのお宅も新年の準備をはじめることでしょう。
大掃除やおせちの準備のほかにも、忘れてはいけないのが「鏡餅」を飾ることです。
我が家の幼稚園児は、鏡餅に興味津々で、
「なんでこのお餅飾るの?」
「なんでお餅2つ重ねるの?」
「なんでミカンが乗ってるの?」
など、鏡餅に対する「なんで?」を一気にぶつけてきます。
疑問をもつことはいいことなので、ちゃんとわかりやすく教えてあげたいものです。
今回は子供にもわかりやすく説明できるよう、鏡餅の「なんで?」についてお伝えします!
目次
子供にもわかりやすく!鏡餅を飾る意味

子供が真っ先に気になるのは、
「なんで鏡餅ってあるの?」
ということでしょう。
普段家にないものが飾られると気になるものですよね。
鏡餅の話しをするには、まずは
「年神様(としがみさま)」
のことを知っておかなければなりません。
年神様とは?
年神様とは、お米などの農作物の豊作を祈ってまつられている神様です。
新年になると、年神様は高い山から降りてくると言われています。
日本は昔から農業を生業(なりわい)としてきたので、年神様はとても大切な神様だったのです。
鏡餅は、年神様が山から降りてきたときの「よりしろ」なのです。
大切なお客様をおもてなしする「客室」みたいなものです。
鏡餅っていつまで飾るの?
年神様がいるうちは、鏡餅は飾っておかないといけません。
年神様がいる期間を「松の内(まつのうち)」といい、松の内が過ぎると山へと帰ります。
このタイミングで門松などの正月飾りを片付けます。
しかし鏡餅は別です。
鏡餅は「鏡開き」の日まで飾っておきます。
「松の内」や「鏡開き」は、地域によって日が異なります。
関東地方
- 松の内
1月7日まで - 鏡開き
1月11日
関西地方
- 松の内
1月15日まで - 鏡開き
1月15日
関東地方の方が少し早い理由は、江戸時代に徳川家光の命日と鏡開きの日が重なってしまい、幕府から鏡開きの日にちを前倒しにするようにお達しがあったからのようです。
ちなみに鏡餅を飾るのは、12月28日がよいとされています。
「8」は漢字にすると「八」になり、末広がりの縁起がいい数字と言われているからです。
また、12月29日と31日に鏡餅を飾るのは縁起がよくありません。
- 29日は、「9」が「苦しむ」を表しているため。
- 31日は、「一夜飾り」になり、年神様に対して失礼にあたるため。
お葬式も一夜飾りなので、忌み嫌われています。
早く飾るぶんには問題ないので、気持ちよくお正月を迎えるためにも、新年の準備は早めにするのがいいでしょう。
鏡餅になんでミカンを乗せるの?

鏡餅のてっぺんにドーンと乗っているミカン。
ただてっぺんがさびしいから乗せているわけではありません。
このてっぺんに乗っているのは「橙(だいだい)」という種類のミカンです。
色えんぴつにも「橙色」ってありますよね。
橙は、何年も枝に実をつけたまま落ちないほどの強い生命力をもっており、
「代々(だいだい)、子孫が繁栄し続きますように」
という願いがこめられているのです。
今では、橙よりも手に入りやすいミカンが乗せられていることが多いです。
鏡餅、なんでそんな形なの?名前の由来も
白く丸いフォルムで、ひときわ存在感をはなつ鏡餅。
「鏡餅って、なんでこんな形なの?」
と疑問を持つお子さんも多いはず。
我が家の幼稚園児は「雪だるまみたい!」と喜んでいました。
子供の興味をひく鏡餅のこの形にも、ちゃんと意味があるのです。
鏡餅って、なんで丸いの?
鏡餅の丸い形は「銅の鏡」から来ています。
この銅の鏡というのは、天照大神(あまてらすおおみかみ)という神様からさずかった「3種の神器」の1つである丸い鏡のことをしめしています。
3種の神器
- 八咫鏡(やたのかがみ)
- 八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)
- 天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)
この「八咫鏡」が、銅の鏡です。
また、丸い鏡はご神体(神様が宿るもの)として、多くの神社でまつられています。
このように、鏡餅は丸い鏡に見立てて丸く作られているのです。
鏡餅の「鏡」という名前の由来もココにあり、年神様のよりしろとしてはピッタリですよね。
鏡餅って、なんで段になってるの?
よく目にする鏡餅は、丸い餅を2段に重ねているものが多いでしょう。
鏡餅が2段であることにもしっかりと理由があり、丸い形の餅を重ねることによって「円満に年を重ねる」ことを現しています。
また、2つ重なる餅は「月と太陽」を現していて、「福が重なる」「夫婦和合」という意味もあります。
関西や一部の地域では、2段ではなく3段の鏡餅が飾られていることもあります。
3段の鏡餅には、家内安全や食の安全の願いがこめられています。
子どもといっしょに鏡餅を飾ってみよう!
12月に入ると、スーパーなどでは店頭に鏡餅が並ぶようになります。
ミカン以外(プラスチック製の橙がついていることはある)の基本の飾りがセットになっていて、お手軽に飾ることができます。
基本スタイルの鏡餅でも、充分に年神様をお迎えすることができるのですが、どうせならこちらの動画のように豪華に飾り付けしてみませんか?
基本のスタイルである、
- 三方(さんぽう)
- 四方紅(しほうべに)
- 御幣(ごへい)
- 譲葉(ゆずりは)
- 裏白(うらじろ)
- 橙(だいだい)
以外にも、地域によってはエビやコンブ、串柿を飾るところもあります。
お子さんとこの鏡餅の話しをしながら、ぜひ飾り付けを楽しんでみてください。
鏡餅、飾ったあとはどうするの?
「鏡餅っていつまで飾るの?」でもお伝えしたとおり、鏡餅は鏡開きの日まで飾っておきます。
そのあとは、おしるこやお雑煮、焼き餅などにして、家族でおいしくいただきます。
年神様がよりしろにしていた鏡餅にはパワーがあると言われおり、そのパワーをちょうだいしつつ、今年1年の健康や平和を祈りながら食べます。
鏡餅、包丁で切ってはダメ!

鏡餅は縁起物です。
包丁で「切る」という行為は「切腹」を連想させるのでよくありません。
鏡餅は槌(つち)で叩き割るのが一般的です。
「だったら、鏡割りって言うんじゃないの?」
と、突っ込まれそうですが「割る」という表現も縁起が悪いとされているので、末広がりにならって「開く」にいう言葉にしたのです。
飾る日にしろ、割り方にしろ、呼び方にしろ、とにかく縁起が悪いものを避けて、ゲンを担ぐのが日本人なんですね。
包丁で切るのが手っ取り早いのですが、縁起物である以上は最後までルールを守った方が、ありがたみを感じることでしょう。
お子さんも嬉しい!鏡餅でおしるこ

ここまでのお話で、お子さんの鏡餅についての知識が深まったことかと思います。
最後は、鏡餅を使ったおしるこを作って、ぜひお子さんと一緒に食べてみましょう。
年神様への感謝の気持ちと、今年1年の幸せを祈って、甘くて温かいおしるこを楽しんでください!
必要な材料
- 割った鏡餅
食べられるぶんだけ - あんこ
つぶあん、こしあんのお好みの方を200グラム - 水
200ml(1カップ) - 塩
ひとつまみほど
作り方
- 鍋の中に、あんこと水を入れて木ベラで混ぜます。
- 混ぜたら、中火で煮詰めます。
焦がさないようにマメに混ぜましょう。 - 火を止めたら塩をひとつまみ入れて混ぜます。
- 鏡餅は、オーブントースターで焼いたり、電子レンジで柔らかくしたり、お好みで加熱してください。
- 器に3と4を盛り付けたら、おしるこの完成です。
とっても簡単にできるので、普段のおやつにも最適ですよ!
ちなみに最近主流のプラスチックの鏡餅をおいしく食べる方法はこちらで解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
▶ 鏡餅の食べ方、プラスチックならこう!おいしく食べる方法を伝授!
鏡餅を飾る意味を子供向けに解説のまとめ
いかがだったでしょうか?
鏡餅には、たくさんの意味や願いがこめられていて、正しく伝えるのはなかなか難しいですよね。
この記事で、少しでも「難しい」を解消できたらな、と思います。
鏡餅について説明するときは、次の点が大切です。
- 新年には、年神様が高い山から降りてくる
- 年神様は、鏡餅を「よりしろ」(客室)にする
そして、鏡餅の形や意味をたずねられたら、
- 鏡餅の形や名前は、昔から伝わっている、丸い銅の鏡に由来している
- 鏡餅が段になっているのは、新しい1年を円満に過ごせるようにという願いからそうなった
などのポイントをおさえて、話してあげるといいでしょう。
鏡餅を飾り終えたあとは、包丁を使わずに槌などで割り、年神様からパワーを頂くために家族でおいしく食べましょう!