ウェルシュ菌の殺菌方法について!温度や条件は?レンジで殺菌は?
世の中にはたくさんの食中毒菌が存在しますが、その中でも「ウェルシュ菌」は少し特殊な菌なのをご存知でしょうか?
何が特殊かというと、その「殺菌方法」です。
多くの食中毒の菌は熱に弱く、しっかりと加熱殺菌を行えば食中毒にはなりません。
しかし、ウェルシュ菌は「とても熱に強い」食中毒菌なので、加熱による殺菌方法が効かないんです!
では、どうすれば「ウェルシュ菌食中毒」を防ぐことができるのでしょうか?
今回は、ウェルシュ菌の殺菌方法についてご紹介します!
ウェルシュ菌の殺菌方法とは?

ウェルシュ菌は、一般的な調理方法で死滅させることはできません。
ウェルシュ菌の耐熱温度は120℃以上と言われています。
120℃で調理する方法なんて、揚げ物以外思いつきませんよね(^^;)
では現実的にはどうすればいいのでしょうか?
ウェルシュ菌の殺菌方法としてよく話題になるのがこの4つです。
- 電子レンジ
- 冷凍
- 消毒液
- 圧力鍋
ただ、この中でも有効なものと、そうでないものがあります。
ひとつずつ詳しくみていきましょう!
電子レンジ → ×
ウェルシュ菌の殺菌方法でよく話題にあがるのがこの電子レンジです。
しかし、電子レンジではウェルシュ菌を殺菌することはできません。
電子レンジの最高温度は100℃程度で、この温度ではウェルシュ菌は死滅しません。
油が多い料理なら一部だけが100℃以上になる可能性はあります。
ですが、温めた料理全体にウェルシュ菌が繁殖していたら意味がありません。
ちなみに電子レンジは、食べ物を温めるために「マイクロ波」という電磁波を使っています。
このマイクロ波が食べ物の水分を激しく振動させて、食べ物を温めているのです。
ですが、ウェルシュ菌はマイクロ波でも殺菌することはできません!
ウェルシュ菌はエックス線にも耐えられるほどの耐久性をもっているんです。
(エックス線はマイクロ波よりも強力な電磁波です)
「熱はダメでも、マイクロ波でウェルシュ菌が死ぬのでは?」
なんていう感覚が、この「電子レンジ殺菌説」を産んでしまったのかもしれないですね。
冷凍 → ×
冷凍は食品保存の方法としてよく使われますよね。
「冷凍ならウェルシュ菌も死ぬのでは?」
と思った方、残念ながら冷凍ではウェルシュ菌は死にません。
そもそも食中毒の原因になる菌の多くは、一般家庭の冷凍庫の温度では死滅しません。
冷凍保存でウェルシュ菌の増殖を防ぐことはできますが、ウェルシュ菌を「殺菌」するところまではできないです。
冷凍で殺菌できれば楽なのに残念ですね…泣
消毒液 → △
「料理にウェルシュ菌が入る前に、ウェルシュ菌を殺菌してしまえば大丈夫!」
という方もいると思います。
何を隠そう、私がそう思っていたからです笑
調べてみると、ウェルシュ菌は消毒の定番である「アルコール除菌」にも強いことが判明しました。
消毒液でウェルシュ菌を殺菌するには「塩素系漂白剤」がやや有効といわれています。
漂白剤でもやや有効程度…
ウェルシュ菌、強すぎです(泣)
それに、ご飯を作るたびに調理器具を漂白剤につけるのって面倒ですよね。
消毒液によるウェルシュ菌殺菌はやや微妙という結果になりました。
圧力鍋 → ◯

この「圧力鍋」を使った方法は、ウェルシュ菌を殺菌するのに有効です。
販売されている圧力鍋の種類によって多少の差はありますが、圧力鍋の最高温度はなんと120℃なのです!
圧力鍋の高圧力で「120℃以上の温度で15分以上加熱」すれば、ウェルシュ菌を殺菌することができます!
しかも、ウェルシュ菌は「スープ」や「カレー」といったお鍋を使った料理に多い食中毒です。
ですので、圧力鍋との相性はばっちりですね!
以前は1万円近くしていた圧力鍋ですが、最近は3,000円程度で買えるぐらい安くなりました。
調理時間が短くなり経済的な圧力鍋は、一家に一鍋あると便利ですよ(^^)
これを機会に圧力鍋を購入するのもいいかもしれませんね!
ウェルシュ菌の特徴とは?

ウェルシュ菌の殺菌方法がわかったら、今度はウェルシュ菌自体についても詳しくなっておきましょう。
まずは、ウェルシュ菌の生きた映像です。
(ちょっと気持ち悪いので、苦手な方はご注意ください。)
細長い形をした菌がウェルシュ菌です。
小さいスペースにいっぱいいますね(汗)
次にウェルシュ菌の特徴についてです。
前章と重複している内容がありますが、復習だと思ってぜひ読んでみてください!
- 熱に強く、120℃以上の温度で死滅する
- 乾燥にも強い
- アルコール類にも強い
- エックス線などの電磁波にも耐久性がある
- 根野菜やお肉に付着していて、人間の腸内にも生息している
耐久性が高いことがウェルシュ菌最大の特徴です!
その高い耐久性のおかげで、人間の腸内にも生息しているのは驚きですね!
こんな耐久性の高いウェルシュ菌に弱点はあるのでしょうか?
ウェルシュ菌の弱点とは?
ウェルシュ菌の弱点は以下の通りです。
- 塩素系漂白剤がやや苦手
- 酸素が嫌い
- コッカス菌によって死滅する
塩素系漂白剤については上記でご説明した通り、「やや有効」というだけで完全な弱点とはいえませんが、漂白剤自体は日々の食中毒予防に大切なのでこちらにも加えました。
弱点の2つめにある「酸素が嫌い」ですが、ウェルシュ菌は酸素が多い環境では繁殖することができません。
料理をするときは、なるべく空気にふれさせることで、ウェルシュ菌をおさえることができます。
例えば
- 料理を温めるときに、よくかき混ぜる
- 保存する場合は小分けにし、空気にふれる面積を増やす
などです。
これなら簡単にできますよね!
面白いのが「コッカス菌」です。
これは最近の研究で判明した菌で、ウェルシュ菌に侵食して死滅させることができる菌なのです!
ちょっとだけこのコッカス菌についてお伝えしますね♪
コッカス菌とは?
ウェルシュ菌を死滅させるコッカス菌とは一体何のでしょうか?
コッカス菌は「エンテロコッカス・フェカリス菌」が正式名で、長いので「フェカリス菌」または「コッカス菌」と略されることが多いです。
このコッカス菌は「善玉の腸内乳酸菌」の一つで、私たちの体内のもいる菌なのです。
コッカス菌はヒト由来の乳酸菌なので、腸内環境を整えてあげれば増やすことができます。
ですので、たとえウェルシュ菌が体内に入ってきたとしても、腸内が健康であればウェルシュ菌食中毒を防ぐことができるのです。
意外な殺菌方法ですよね!
ウェルシュ菌の殺菌方法、まとめ
ウェルシュ菌の殺菌方法についてご紹介しましたが、参考になりましたでしょうか?
最後に、今回のお話しをもう一度おさらいしましょう!
- ウェルシュ菌は120℃以上温度で15分以上加熱しなければ死滅しない
- 電子レンジ・冷凍ではウェルシュ菌を殺菌できない
- 塩素系漂白剤がウェルシュ菌にやや有効
- ウェルシュ菌の殺菌には圧力鍋が有効
- 腸内細菌のコッカス菌はウェルシュ菌を死滅させる
ウェルシュ菌の食中毒はカレーやスープ、煮物やご飯でも発生することがあります。
最近ではわかめご飯でウェルシュ菌食中毒になったと報道がありました。
正しいウェルシュ菌殺菌で、毎日の料理の安全を守りましょう!
