タラバガニはカニではなくヤドカリの仲間!理由は?
2017/01/08
寒くなってきて、カニが美味しい季節になりましたね。
年末年始で家族が集まる時期には毎年カニをお取り寄せする方も多いと思います。
なかでもタラバガニは「カニの王様」と呼ばれて人気ですね。
ところが、このタラバガニはカニではなくヤドカリの仲間だということ、ご存知でしたか?
その理由について、詳しくご紹介します。
目次
タラバガニはカニではなくヤドカリ?

タラバガニはどこからどう見ても、カニそのものですよね。
ところが、厳密にはカニではなく、ヤドカリの仲間なんです。
まずはこちらをごらんください。
海岸などで見かけるカニは横歩きです。
普通、カニは横歩きだということは、子供だって知ってますよね。
次にこちらはタラバガニの歩行です。
横歩きではなく前進しています。
見た目はカニだけど、この違いからタラバガニとヤドカリが近いのが分かります。
ヤドカリが歩く様子はこちら。
歩き方は似ているといえば似ているけど、なぜヤドカリの仲間なのかを詳しく見ていきましょう。
タラバガニがヤドカリの仲間である理由は?
生物学的に詳しく説明するとタラバガニは「エビ目 ヤドカリ下目 タラバガニ科」に分類されています。
エビ目は、カニ亜目、ヤドカリ亜目、エビ亜目に分類され、十脚(10本脚)甲殻類のうち、しっぽが長いのがエビ、しっぽが短いのがカニで、その中間がヤドカリという分けられ方をします。

カニの脚が左右合わせて10本あるのに対して、タラバガニの脚は8本です。
実は1対の小さな脚が甲羅の下に隠れています。
ヤドカリはというと、はさみの形をした脚が1対あり、その下に移動に使う2対の大きな前脚があり、貝殻の中のゴミをかき出す残りの脚は小さくなっています。
脚の特徴がヤドカリに似ていることや、遺伝子的に類似していることから、ズワイガニはヤドカリの仲間とされているようです。
それならばタラバガニと呼ばずに「タラバヤドカリ」にするべきじゃないの?
と思いましが、わざわざ後から決まった学名より、古くから広く普及してきた通称を重視して、名前を改めるには至らなかったそうです。
確かに「タラバヤドカリ」では食欲がわきませんよね。
ちなみにタラバガニの「タラバ」は「鱈場」に由来していて、オホーツク海や知床半島の沖合、鱈が漁獲される場所に生息することが多いためタラバガニと呼ばれるようになったそうです。
タラバガニと同様、ヤドカリの仲間であるカニは他に、希少な高級食材で知られる「花咲ガニ」、見た目がそっくりだけど、タラバガニより安価な「アブラガニ」などがあります。
余談ですが、アブラガニは以前、偽タラバガニとして流通したことからタラバガニの廉価版というイメージが定着してしまいました。
見分ける方法もいくつかあり、一番わかりやすいのは裏返した脚の裏側が全体にわたって赤いのがタラバガニ、白や紅白まだらなのがアブラガニだそうです。
ところが、茹で方や保存状態にもよりますが、味に関しては大きな違いはないようです。
新鮮なアブラガニの身は濃厚で甘みがあるので、漁場に近い地域では人気があるようですよ。
また、ヤドカリの仲間であるタラバガニが食べられるなら、ヤドカリも食べられるの?
という疑問がわきませんか?
実は日本にもヤドカリを食べる習慣があります。
沖縄では「ヤドカリ下目 オカヤドカリ科」に分類される甲殻類の「ヤシガニ」が食用として捕獲されます。
私は石垣島で、大胆にも味噌汁の具としていただきました。
器からはみ出さんばかりのヤシガニはとても濃厚で野性味のある味でしたよ。
タラバガニと似ているズワイガニは?
タラバガニと人気を二分するズワイガニはどうなんでしょうか?
生物学的には「十脚目 ケセンガニ科」ということで、答えは正真正銘「カニ」です。

確かに脚が10本ですね。
せっかくなので、タラバガニとズワイガニの違いを比較してみましょう。
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タラバガニ |
ズワイガニ |
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見た目の 特徴 |
脚が8本、トゲトゲした甲羅で覆われている |
細い脚が10本、ツルツルした小さな甲羅 |
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生物学的 分類 |
ヤドカリ下目 |
ケセンガニ科 |
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産地 |
根室などの北海道以北、ロシア、 ノルウェーなど |
オホーツク、アラスカ、 日本海(松葉蟹、越前蟹)など |
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味 |
身が詰まり、淡白だが食べ応えあり |
繊細で甘みがある、カニ本来の味 |
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食べ方 |
蟹鍋や焼き蟹など |
茹で蟹や蟹しゃぶ、刺身など |
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価格 |
1杯およそ2,000円~1万円 |
1杯およそ1,000円~5,000円 |
今まで細かいところまで意識していなかったけど、こうして比較すると違いがはっきりしていますね。
食べ方や好みで、選ぶ基準になりました。
もう一つ人気の「毛ガニ」も調べてみたところ、こちらは「エビ目 カニ下目 クリガニ科」ということで、ズワイガニ同様カニの仲間でした。
タラバガニがヤドカリの仲間のまとめ
タラバガニの正体はヤドカリだった!
何て言うと大げさですが、今までの常識が覆りました。
しかし、学術的にヤドカリの仲間とはいえ、消費者にとっては関係のないこと。
タラバガニが、カニの王様であることにはは変わりないですね。
ですから、タラバガニ=ヤドカリの仲間ということはトリビア的な知識として知っておくといいかもしれません。
最近はいろいろな通販サイトで上質のタラバガニを買うことがでるようになりましたね。
みなさんも美味しい冬の味覚を味わってください。