初節句の男の子、兜のお下がりをもらうのはNG?飾る意味とは?
5月になると端午の節句ですね。
男の子が生まれて初めての節句、という人もいますよね!
端午の節句は、
- こいのぼり
- 兜
- ちまき
- かしわ餅
など用意するものがたくさんあります。
初節句ともなれば、できるだけのことはしてあげたいですよね^^
中でも「兜」は、それなりの大きさもあり金額のことも考えるとどうしようか悩むところです…
そんな時「パパの兜があったかも!」と思い出したり、おばあちゃんからお下がりの提案があったりする家庭もあるのではないでしょうか。
ただ、ありがたい反面
- 「兜のお下がりってOKなんだっけ?」
- 「お下がりはあまりよくないと聞いた気もするし…」
と、ちょっと気になることも…。
昔からある行事なので、代々「兜」を受け継いでいるのではないかと考えたりもしますが、そこは縁起もの。
いったいどうなんでしょうか?
そこで今回は、男の子の初節句に「兜」のお下がりは「アリorナシ」どちらなのかみていきたいと思います!
初節句の男の子、兜はお下がりでもいいの?
男の子の初節句に、勇ましい「兜」をかざって成長と健康を願うのは、親としてはどうしてもやってあげたい行事のひとつ!
端午の節句に用意する「こいのぼり」や「兜」は、かなり立派な大きいもので、そして高価なのもですよね?
パパが持っているものを「お下がり」でもらってもいいのでは?と思うところですが、結論としては「兜」のお下がりは基本的にはNG!です。
私はこのことを知るまで、代々引き継いでいるものと思っていました…(汗)
私と同じように、大切にしてきた「兜」を親から子へ引き継いでいきたい、と考えていた方にはちょっとおどろく話だと思います。
ですが、これにはちゃーんと昔からの行事に込められた意味があるのです。
「兜」はただの飾り物というわけではないんです!
案外知られていないのですが、実は男の子の初節句の「兜」は、基本的に一人にひとつ用意するものなのです。
なぜ一人にひとつといわれているのかを、次でご説明しますね。
初節句に兜を飾る意味とは?
端午の節句といえばかならず目にする「兜」。
そもそも男の子の初節句に「兜」を用意するようになったのはなぜなのでしょうか。
端午の節句とはもともとは「女性の節句」でした。
田植えの前に女性が家にこもって「菖蒲(しょうぶ)」で身を清めたり、宮中では「菖蒲」を髪飾りにして、天皇からくすだまをもらうという行事がありました。
その風習のなごりが今の「菖蒲湯」として残っていますよね!
その「菖蒲」が、「武勇を重んじること」という意味の「尚武(しょうぶ)」と同じ読みかたで、「菖蒲」の葉が剣に似ていることから、端午の節句は「男の子の節句」と考えられるようになったのが鎌倉時代です。
さらに江戸時代に入ると、武家の間で縁起を担いで端午の節句を祝うようになりました。
武家では家の跡継ぎ問題がとても重要なことだったので、生まれた男の子の成長を祈って、
- 兜
- 鎧
- 刀
などを飾るようになりました。
武将にとって「鎧」や「兜」はいくさの時に命を守る大切な道具です。
そこで「男の子の身を守る、厄を背負ってくれるもの」として、一人にひとつずつ用意するようになりました。
「兜」が、子どもの身代わりになって厄を引き受けてくれるものだと考えると、パパの「兜」はパパを守るので、たしかにお下がりはNGということになりますよね。
「えー!でも一人にひとつづつ買っていたら、お金も家のスペースも大変なことに…」
と思う人もいると思います。
私も、もったいないなという気持ちと、縁起を担ぎたいという気持ちの間でゆれそうな気がします^^;
では、お下がりは絶対にいけないのでしょうか?
行事を親から子へ「引き継ぐ」という考え方も
「兜」のお下がりは本来の意味からすると「なし」とはいっても、実際に用意する時期になるといろいろと考えちゃいますよね^^;
男の子が生まれるたびに初節句で「兜」を用意して、いくつも「兜」があるという家もあると思います。
一人にひとつ、といういわれがあるのでどうしてもそうなってしまいますが、場合によっては全部を飾ったり用意したりすることが難しいこともあります。
でも、
- 住宅事情でいくつも飾れない
- ひとつあればいい
など、いまでは考え方や事情もさまざまです。
地域によっては成人したあとの「兜」を供養するという風習もあるそうです。
でも、だいたいは成人したあとも大切に保管していることが多いですよね。
昔からの行事ではありますが、厄などを気にしないというのであれば、パパの「兜」のお下がりを大切に引き継いで飾ってもいいのではないでしょうか。
「兜」という「モノ」を引き継ぐのではなく、行事全体を代々引き継いでいくと考えれば、お下がりでも気にならないかもしれませんね。
ただそうはいっても基本的にはお下がりはよくないと言われていますので、
- どうしても縁起が気になる
- 人に指摘されたくない
という人は、やはり新しい「兜」を用意してあげてください。
パパの兜をすすめられたら、せっかくなのでそれは実家に飾ってもらってはどうでしょうか?
初節句の男の子、お下がりの兜のまとめ
厄除けとしての意味をもつ「兜」のお下がり、基本的にはNGということがわかりました。
現代では、兄弟の多い家庭や住宅事情によって一人にひとつ「兜」を用意するのがなかなか難しくなってきています。
- 厄除けの意味で、新しい「兜」を用意する
- パパの「兜」を行事として大切に引き継いでいく
どちらも、子どものことを考えてのことです。
その子の大切な成長を願う「兜」、どんな形にしても願いを込めて飾ることが大切ですよね。
それぞれの育った環境が違うと、「兜」のお下がりについての考え方も人それぞれだと思います。
家族で話し合って、納得のいく考え方で端午の節句をむかえられるといいですね^^
お子さんが健やかに育ちますように!
初節句関連の記事はその他にもありますので、参考にしてみてくださいね。