ヒアリの天敵は実は日本にもいた!日本のアリとの違いは?
2018/10/03
世界レベルで問題視されている殺人アリ「ヒアリ」。
しかし、そんなヒアリにも天敵がいるんです!
攻撃性、毒性が高いヒアリは手強いイメージがありますよね。
でもそんなヒアリたちを駆逐してくれる天敵が日本にいるとすれば、これはとっても心強いです。
果たして、私たちをヒアリの脅威から救ってくれるのは、いったいどんな生物なのでしょうか?
実は、日本に住んでいるアリもヒアリの天敵になるのでは?という情報もあります。
というわけで今回はヒアリの天敵についてや、日本のアリとの関係をご紹介します!
目次
ヒアリの天敵とは?
現在確認されているヒアリの天敵は大きく分けてこの6つです。
- ノミバエ
- クモ網(くもこう)
- トンボ
- エントツアマツバメ
- オウサマタイランチョウ
- アルマジロ
ヒアリの天敵は虫だけかと思っていましたが、鳥なんかもいて驚きですよね。
でも「ツバメ」はともかく、「タイランチョウ」や「アルマジロ」は日本では生息していません。
残念ながらこの3種に関しては、日本のヒアリ問題の解決にいたらないでしょう。
となると日本でヒアリの天敵になるのは、
- ノミバエ
- クモ網
- トンボ
になりそうです。
ではこの3つの生き物について詳しくみていきましょう!
ノミバエ
ノミバエは体長が数ミリ程度のとても活発な小さいハエです。
全世界に3,000種のノミバエがいるといわれています。
- 動物のフンや死骸
- くさった水
などから生まれるので、衛生的にはあまりいいハエとはいえませんね。
ヒアリの天敵といわれているノミバエは、別名「ゾンビバエ」ともいわれています。
卵を産みつけられたヒアリの様子がおかしくなることから、このハエをゾンビバエと呼ぶようになったそうです。
ノミバエはヒアリのお尻に卵を産みつけます。
卵から孵化した幼虫はヒアリの脳に寄生し、成虫になると宿主のヒアリの頭から飛び立っていきます。
想像するとちょっと怖いですね(汗)
こちらの動画では、ノミバエがヒアリに寄生した画像が映されています。
苦手な方はご注意ください。
ヒアリの頭がポロンと取れてましたね…
ノミバエの効果、恐るべし…!
このノミバエを使ったヒアリの対策は、実際にアメリカで使われている方法で、この方法を「生物農薬」と言います。
普通の農薬と違って、作物への影響が少ないのが特徴です。
しかも、ヒアリはノミバエを遺伝子レベルで嫌っていて、ヒアリの巣にノミバエが近づくだけでヒアリはパニック状態になるそうです。
攻撃的で有名なヒアリの天敵ノミバエが、私たちを助けてくれる正義の味方になってくれるでしょう!
クモ網(くもこう)
クモ網ってあまり聞いたことがない言葉ですよね?
クモ網とは
- クモ
- ダニ
- サソリ
などをふくんだ、大きなグールプ名称のことです。
クモ網に分類される生き物はヒアリを食べることが確認されています。
トンボ
都会であまり見かけなくなってしまいましたが、畑や田んぼの近くだとよく見かけますね。
作物を荒らすヒアリを退治してくれるのは、このトンボかもしれません。
トンボのすごいところは、飛んでいるヒアリの女王アリを食べてくれるのです。
ヒアリも普通のアリも、女王アリがいなければコロニーを作れません。
女王アリを食べてくれるトンボは、日本の救世主になるかもしれませんね!
日本の在来種でヒアリの天敵になるのは、この3種類の生き物だけでしょうか?
次の章では、ヒアリの天敵になるかもしれない、日本在来のアリについてお話しします。
ヒアリと日本のアリ、どちらが強い?
日本のアリはヒアリの天敵になりうるのでしょうか?
専門家の間でも賛否両論あるこの問題についてみていきたいと思います。
ヒアリの特徴
それぞれのアリの特徴を知ることで、ヒアリと日本アリの強さを見ていきましょう。
まずはヒアリの特徴についてです。
- 体長は約3~6mm
- 光沢のある赤茶色の体をしている
- トカゲをしとめられるほどの、集団による攻撃性をもっている
- ミツバチの毒と似ていて、アナフィラキシーショックを起こす場合がある
ヒアリは環境への適応力も繁殖力も高いアリです。
例えば、洪水でアリ塚が水に沈んだとしても、ヒアリは体を密着させて水の上に浮いて生きのびます。
集団で小型動物をエサとしてしまうほど凶暴なヒアリは、日本在来のアリにも牙をむくことでしょう。
そんなとき日本のアリはどう対抗するのでしょうか?
日本のアリの特徴
日本のアリを代表して「クロオオアリ」についてみてみましょう。
- 体長は約7~10mm
- 日本で最大の大きさのアリ
- 体は黒く、光沢が無い
- 日本全国に生息している
日本のアリはヒアリと比べれば攻撃性はそこまで高くありません。
ただし、それは自分のテリトリー外でのみの話です。
クロオオアリのテリトリーに侵入してしまったら、例えヒアリといえどただではすみません。
クロオオアリについては
「桜島の溶岩地帯に生息しているクロオオアリが、ほかの種のアリをたくさん狩ってエサとしていた」
という話があります。
溶岩地帯といえば、生物にとって住みづらい環境です。
そんな過酷な環境の中、同じアリをエサにしてまで生き延びるクロオオアリは、ヒアリに負けず劣らず強いアリなのかもしれません。
どちらが強い?
ヒアリvs日本アリの戦い、結局どちらが強いのでしょうか?
実際のところはまだデータが少ないため、勝敗は分からないというのが答えです…^^;
今後の研究次第で、ヒアリと日本のアリとの戦いに決着がつくのではないかと思われます。
ただ、クロオオアリはテリトリーを侵されると、いっせいに攻撃を開始します。
いくら強いヒアリといえども、集団でおそわれては勝ち目がないのではないでしょうか?
個人的には日本のアリがヒアリの天敵になってくれるといいなと思いますが、これからのニュースに期待ですね!
ヒアリの天敵についてまとめ
ヒアリの天敵についてお話しましたが、参考になりましたでしょうか?
最後に今回の内容をまとめます。
- ヒアリの最大の天敵は「ノミバエ」
- ノミバエは別名ゾンビバエといわれている
- ノミバエは卵をヒアリに寄生させる
- 日本でヒアリの天敵になるのは他に「トンボ」や「クモ」などがいる
- ヒアリにとって日本アリは天敵になりうるかもしれない
ヒアリは日本においてまだまだデータが少ないアリです。
またノミバエのデータについても、日本に生息している種がヒアリに有効かどうかはまだわかっていません。
一日でも早く、ヒアリに対抗する手段がみつかると安心ですね。