マイコプラズマ肺炎の症状、大人が感染すると重症化する危険も!
2017/05/10
1年間を通してさまざまな感染症がはやりますが、その中でも「マイコプラズマ肺炎」をご存知でしょうか?
お子さんのいる家庭では「子どものかかる病気」というイメージを持っている方も多いと思います。
しかしこのマイコプラズマ肺炎、健康な大人でも感染することがあるのです。
私もつい先日、マイコプラズマ肺炎にかかってしまいました。
最初は「風邪かな?」という程度だったですが、みるみるうちに重症化していってホントに大変な思いをしました…。
その苦い経験をもとに、今回この記事を書いています。
いま「風邪ぎみかな?」と思っている方、その症状は本当にただの風邪でしょうか?
今回は大人がマイコプラズマ肺炎にかかった時の症状や原因、私の体験談などをお伝えします。
風邪のような症状が出てはじめている方、ぜひ一読してください!
マイコプラズマ肺炎の症状

最初は発熱からスタートすることが多いです。
この段階では風邪かなと思う方が大半でしょう。
しかしマイコプラズマ肺炎は「鼻水や喉の痛み」といった風邪のメイン症状があらわれないことが多いです(もちろん、個人差はあります)。
マイコプラズマ肺炎の主な症状
- 38℃以上の高熱(人によっては39~40℃)が「4日から1週間」続く
- 発症後3日目くらいから「乾いた激しい咳」をともなう
- 全身のけんたい感
- 激しい頭痛
これからが主な症状ですが、取り上げてメインとなる症状が、
「長引く高熱」と「激しい咳」
です。
大人になると高熱はなかなか出にくいものですが、マイコプラズマ肺炎はこの高熱が特徴ともいえます。
高熱の具合から一瞬インフルエンザを疑うこともあるでしょう。
そして肺炎というくらいなので激しい咳もともないます。
序盤は「乾いた咳」が続き、発症から5日目を過ぎる頃にはたんが絡んだような「湿った咳」に変わります。
また、4年に1度くらいのペースで流行することから「オリンピック病」と呼ばれることもあります。
ただ、症状は毎回同じもので、はやるたびに多くの患者を苦しめています。
この動画のニュースによると、2016年は患者数が過去10年間で最多だそうです。
マイコプラズマ肺炎の体験談
冒頭にも書きましたが、私もマイコプラズマ肺炎にかかってしまい、大変苦しい思いをしました。
どのような経緯をたどってマイコプラズマ肺炎と診断されたのかをご紹介しますので、参考にしてみてください。
ある朝、目覚めると悪寒(おかん)がしました。
季節的に寒くなりはじめていたので、朝の低い気温のせいだとあまり気にしていませんでした。
昼になるころにはひどいけんたい感で体が重くなっており、熱をはかると38℃あったので「風邪をひいたな」と思い、市販の風邪薬を飲みました。
しかし症状は重くなるばかりで夜には39℃を超える高熱に…
関節痛も出てきており、家族にうながされ救急病院へ。
その際の診断は「風邪」。
点滴をし、風邪薬を処方され帰宅することになりました。
次の日、自分の咳で目が覚めました。
熱をはかると「40℃」という大人になってから見たことのない数値が出てビックリしました。
この日から、
- 昼の一定の時間帯は少しだけ熱が下がり、咳も少しマシになる
- しかし夕方から夜にかけてまた高熱になり、咳も激しくなる…
これを繰り返し、どんどん体力が奪われていきました。
発症から4日目にとうとう限界を感じ、耳鼻科を受診すると、「マイコプラズマ肺炎」と診断されました。
このように、初見では「風邪」と診断されることが多いようです。
2015年にミュージシャンの川本真琴さんがマイコプラズマ肺炎にかかってしまったようですが、彼女も最初は風邪と診断されていたようです。
しかしその後も症状は改善されず、セカンドオピニオンでマイコプラズマ肺炎と診断されたようです。
このように、風邪と誤診されることはめずしいことではありません。
また、後から知ったのですが、時間帯によって症状が辛くなったり和らいだりと波があるのもマイコプラズマ肺炎の「あるある」だそうです。
あとから行った耳鼻科の医師によると「周囲でマイコプラズマ肺炎が流行っているか」などの情報があれば早い段階で正しい診断を受けることができたかもしれないといわれ、「情報には敏感でないといけないな」と思った一件でした。
重症化すると入院することも…
基本的には処方された薬をしっかり飲んで、安静にしていれば自宅療養となるマイコプラズマ肺炎ですが、まれに医師の判断で入院となることもあります。
マイコプラズマ肺炎で入院になる場合の判断基準は下記のとおりです。
・高熱が続き、水分が摂取出来ない
・咳やその他の症状により睡眠や食事が摂れない
これらが続くと体力が落ちる一方ですし、もしかしたら髄膜炎などの合併症を併発しているかもしれないので、大事をとって入院する場合があります。
2016年にはタレントのおかもとまりさんがマイコプラズマ肺炎にかかって、入院していたようです。
大人の場合は症状が重くなる場合がありますので、気をつけたいですね。
マイコプラズマ肺炎の潜伏期間と感染経路

一般的な肺炎とちがい、人に感染することから「移る肺炎」「歩く肺炎」などと呼ばれる細菌性のマイコプラズマ肺炎。
その潜伏期間(感染から発症まで)は
2週間から3週間
と言われています。
感染する力自体はさほど強くないマイコプラズマ肺炎ですが、潜伏期間の長さが感染拡大の原因になります。
潜伏期間は無症状なので感染している自覚がなく、感染予防のしようがないですよね。
また、長い時間同じ空間をともにする家族や職場にも感染の恐れがあります。
仕事をしていると体調が優れなくても病院に行く時間がないので、マイコプラズマ肺炎と気づかないまま過ごすことがあります。
マイコプラズマ肺炎の家族がいるときはできるだけ別室で過ごすようにして、看病が必要なときはマスクをして感染を予防するようにしましょう。
マイコプラズマ肺炎の感染経路は、
- 咳やくしゃみによる飛沫感染
- 感染者との接触による感染
が主になります。
外から帰宅したらすぐに手洗い・うがいをして予防につとめましょう。
マイコプラズマ肺炎の原因
マイコプラズマ肺炎…初めて病名を聞いたとき、横文字で変わった名前の病気だなぁというのが私の感想でした。
そして「肺炎って名前に付いているけど、普通の肺炎と何が違うのだろう」と思いました。
マイコプラズマ肺炎は、
「マイコプラズマ」という病原性の「微生物」
が原因で引き起こされる肺炎なのです。
なんと、ウイルスでも細菌でもなかったのです。
マイコプラズマ肺炎という名前もその微生物がそのまま由来になっています。
このマイコプラズマの特徴は、
- 生物に寄生して、自己増殖することが出来る
- 細胞壁がない
という2点です。
1つ目の「自己増殖が出来る」という点は、細菌に近いものがあり、付着した人間の細胞のエネルギーを吸収しながらどんどん分裂・増殖していきます。
2つ目の「細胞壁がない」という点ですが、これは言葉だけ読むと「どういうこと?」と思いますよね。
通常、細菌は自分の存在を保つために周囲に細胞壁というものがあります。
この細胞壁を破壊したり、合成をジャマしたりする働きがあるのが、ペニシリン系やセフェム系と呼ばれる抗生物質です。
通常の細菌であればこれで充分に対応することが出来ます。
しかし細胞壁を持たないマイコプラズマには細胞壁を破壊する系統の抗生物質は全く効果がありません。
なんせ壊すものがありませんからね…
「だったらどうやって治療するの?」と思いますが、マイコプラズマにはマイコプラズマに有効な抗生物質がちゃんと存在しています(後述の「マイコプラズマ肺炎の治療方法」で解説します!)。
通常の肺炎と何が違うの?
よく「風邪をこじらせて肺炎になった」という話を聞くことがあるでしょう。
通常の肺炎は、風邪などで体が弱っているときにウイルスや細菌が肺に入りこんだことが原因で引き起こされるものです。
一般的な肺炎は「定型肺炎」と呼ばれ、主に抵抗力の落ちている高齢者や子供によく見られる病気です。
いっぽう、マイコプラズマ肺炎は「非定型肺炎」と呼ばれ、子供だけでなく健康な若年層の成人にも見られる病気です。
また、通常の肺炎とくらべてマイコプラズマ肺炎は症状が軽いことが多いです。
そのせいで寝込むまでにいたらない患者が多く、多少無理をしても日常生活を送るので感染が拡大してしまう、というのがマイコプラズマ肺炎の特徴ともいえます。
大人のマイコプラズマ肺炎、子供とどう違う?
マイコプラズマ肺炎にかかりやすい年齢は6歳から12歳と言われており、まさしく子供の病気という印象があります。
しかし、10代から30代の大人も感染・発症する病気であり、子供とちょっと症状が違うことがあります。
大人の場合は微熱や軽い咳で済むことがあり、自分がマイコプラズマ肺炎に感染したことに気づかないことがあります。
しかしその一方で重症化しやすいのも大人のマイコプラズマの特徴です。
仕事や家庭の用事があって無理をしてしまうことも多いでしょうが、体が悲鳴をあげているときは安静にして完治を目指しましょう。
また、仕事をしている方でしたら出勤していいものか気になるでしょうが、子供の学校のインフルエンザなどと違って出席停止などの決まりはありません。
会社の人事課やかかりつけの医師に相談した上で出勤を検討しましょう。
そして平熱に戻っても咳をしているうちはまだ感染の可能性があるので、出勤する際はマスクを必ず着用するようにしてください。
マイコプラズマ肺炎の診断方法
これまでのマイコプラズマ肺炎の検査には、血液検査やたんを培養する方法などがありましたが、どれも検査結果が出るまでに時間を要していました。
しかし最近ではインフルエンザ検査のような迅速検査が可能になり、検査から20分程度で結果がわかるようになりました。
喉の奥を長い綿棒のようなものでこすって、マイコプラズマ肺炎か否かを判定する方法で、これによって早い段階で適切な治療を受けることができるようになりました。
他には「レントゲン」によっても確認することができます。
ただ、マイコプラズマ肺炎は通常の肺炎と違って聴診での胸の雑音がありません。
それが故に、「胸に雑音が聞こえるからレントゲンを撮ろう」ということにもなりづらいのです。
医師によっては症状や環境(周囲でマイコプラズマ肺炎が流行っているか)で判断し、検査をせずにマイコプラズマ肺炎の治療を行うこともあります。
いっけんすると風邪と似たような症状が多いので間違われやすいですが、正確に診断してもらえるよう患者の私達も自分の周りの状況を正しく伝えられるようにすることが大切ですね。
マイコプラズマ肺炎の治療方法

マイコプラズマ肺炎と診断されると抗生物質の服用による治療がスタートします。
抗生物質とひとことでいっても種類はたくさんありますが、マイコプラズマ肺炎には主に
クラリスなどのマクロライド系と言われる抗生物質
が有効です。
マクロライド系はマイコプラズマ以外にも「慢性気管支炎」や「副鼻腔炎」の治療にも使われる薬ですが、近年はマクロライド系の抗生物質が効かないマイコプラズマ肺炎が増えています。
そういった時はミノマイシンなどのテトラサイクリン系やニューキノロン系と呼ばれる抗生物質で対応します。
ただ、ミノマイシンは副作用が出ることがあるため注意が必要です。
私の時もミノマイシンが処方されましたが、めまいを感じたときはすぐに服用を中止するように医師に言われました。
「薬が効かない」とか「違う薬に変える」と聞くと不安になってしまうかもしれませんが、医師の判断に従って治療を受ければ必ず回復する病気なので安心しましょう。
抗生物質はおよそ1週間続けて服用し、その経過をみます。
高熱は1週間もあればおさまることがほとんどです。
咳はその後もしばらく続いて、1ヶ月ぐらい続くこともあります。
マイコプラズマ肺炎、自然治癒することはある?
抗生物質を服用することによって治癒に向かうマイコプラズマ肺炎ですが、体力のある大人であれば自然治癒も充分可能です。
休息をたっぷり取って安静にしていれば2週間ほどで回復する方もいます。
しかしこれは比較的症状が軽い場合のはなしです。
マイコプラズマ肺炎でも微熱ですんだり、咳もそこそこだという方もいますが、高熱が続いたり咳が激しい場合は無理をせずに病院を受診しましょう。
マイコプラズマ肺炎中の過ごし方
症状の軽い・重いもありますが、病院でマイコプラズマ肺炎と診断されたら基本的には処方された薬を飲んで安静にして回復を待つのがベストでしょう。
高熱があるときはしっかりと水分を摂り、脱水におちいらないように注意してください。
症状が強く出ているときの食事は食べられるものを食べる程度(アイスやゼリーなどでも)にとどめて、無理に食べなくても水分さえとっていれば大丈夫です。
しかし全く何も食べられない状態が1週間近く続く場合は医師に相談しましょう。
また、できないとは思いますが飲酒や喫煙は症状が悪化する可能性がかなり高いのでひかえましょう。
マイコプラズマ肺炎のまとめ
いかがだったでしょうか?
この記事を読んで、「風邪かと思っていたけれど、もしかしたらマイコプラズマ肺炎かも?」という方もいたのではないでしょうか。
大人になると自分のために病院に行く手間や時間を惜しんでしまいがちですが、早期回復のためにも、
- 「長引く高熱」や「激しい咳」
- 「全身の倦怠感」
があるようなら早めに病院を受診することをおすすめします。
無理をしないで自分の体をいたわってあげてくださいね!
我が家の病気体験談はこの他にもありますので、かかったときに慌てないように、こちらも参考にしてみてください。