パラインフルエンザの症状とはどんなもの?ウイルスや菌についても!
2017/10/11
石川県の社会福祉施設で、入居者が「パラインフルエンザ」に集団感染するというニュースが入ってきました。
普段聞き慣れているのは「インフルエンザ」ですが、今回は「パラインフルエンザ」。
「パラ」と聞くと「パラサイト(寄生)」を想起してしまったので、色んな人にどんどん寄生していくような怖いイメージも…(汗)
初耳だった私は、どんな症状を引き起こすのか気になりました。
というわけで今回は、このパラインフルエンザについて、
- どんな症状がでる?
- ウイルスや菌はどんなもの?
- 感染経路や予防法は?
などについてまとめましたのでご紹介します。
目次
パラインフルエンザの症状とは?
パラインフルエンザは呼吸器官系への症状がでます。
主な症状は、
- 喉頭気管気管支炎(クループ)
- 気管気管支炎
- 細気管支炎
- ウイルス性肺炎
- ウイルス性咽頭炎
- 一般的な風邪(咳、喉の痛み、鼻水)
などです。
この中でも特徴的なのが、「クループ」と呼ばれる症状です。
クループとは、声帯や喉の周辺が炎症を起こす疾患の総称です。
主に生後6ヶ月から3歳ぐらいまでの子供に多く見られます。
犬の鳴き声のような「ケンケン」という咳をすることが特徴です。
炎症によって咽頭がはれ、息を吸う時にもゼイゼイしたり、うまく吸えなくなったりします。
また犬の鳴き声だけではなく、アザラシやアシカの鳴き声に例えられることもあります。
クループの咳がどのような感じなのかはこちらの動画をご確認ください。
小さい子がこのクループにかかってしまうと、とってもかわいそうですね…(涙)
ではこの苦しいクループを引き起こすパラインフルエンザは、どんなウイルスや菌が原因で引き起こされるのでしょうか?
パラインフルエンザのウイルスや菌ってどんなもの?
パラインフルエンザは、細菌感染ではなく「ウイルス感染」になります。
また、「インフルエンザ」という名前がついていますが、いわゆるインフルエンザとは別の病気です。
ですので、ウイルスも異なります。
パラインフルエンザのウイルスは4つの型があり、それぞれ
- HPIV-1(1型)
- HPIV-2(2型)
- HPIV-3(3型)
- HPIV-4(4型)
という名前がついています。
このうち1〜3型が人の呼吸器感染症を引き起こします。
それぞれについてもう少し詳しくみてみましょう
HPIV-1(1型)
子供のクループの原因になり、上気道炎や下気道炎も起こします。
学級閉鎖の原因になることもあるウイルスです。
HPIV-2(2型)
こちらも子供のクループの原因になり、上気道炎や下気道炎を起こします。
が、1型の方が原因となる率が高いです。
HPIV-3(3型)
肺炎や細気管支炎を起こすことがあります。
HPIV-4(4型)
あまり検出されませんが、感染しても重症化しにくいという特徴があります。
ではこのウイルスに感染してしまう原因や感染経路はどういったものなのでしょうか?
パラインフルエンザウイルスの感染経路は?
パラインフルエンザの感染経路は、
- 飛沫感染
- 接触感染
です。
パラインフルエンザウイルスに感染した人が咳をして飛び散った飛沫を吸い込んだり、その飛沫がついたものを触れた手で、目・口・鼻などの粘膜をさわると感染します。
飛沫したウイルスは1時間以上(時には数時間)感染力を保ちます。
基本的には小さな子どもへの感染が多いです。
潜伏期間は通常1〜7日間です。
パラインフルエンザの治療法や予防法は?
パラインフルエンザウイルスに対するワクチンは今のところまだありません。
(1型と3型に対するワクチンは現在研究開発中だそうです)
すぐにチェックできる検査キットや特効薬も今のところなく、細菌感染ではないので、抗生物質などもありません。
ですので、治療は基本的に、
- 咳止め
- 解熱
- 喉の痛み止め
- 吸引薬
などを処方する対処療法となります。
飛沫感染や接触感染が主な経路となりますので、感染を予防するには
- うがい
- 手洗い
- マスク
がとても重要になります。
小さいお子さんがいる家庭は、夏でもうがい・手洗いは徹底するようにしてくださいね!
パラインフルエンザの症状についてまとめ
いかがだったでしょうか?
もう一度ポイントをまとめておきますね。
パラインフルエンザは呼吸器官系への症状が主で、
- 喉頭気管気管支炎(クループ)
- 気管気管支炎
- 細気管支炎
- ウイルス性肺炎
- ウイルス性咽頭炎
- 一般的な風邪(咳、喉の痛み、鼻水)
などを引き起こします。
中でも特徴的な症状が「クループ」です。
パラインフルエンザはウイルス感染し、「インフルエンザ」という名前がついていますが、いわゆるインフルエンザとは別の病気です。
ウイルスの型は1型〜4型まであり、このうち1〜3型が人の呼吸器感染症を引き起こします。
中でも1型が最もクループを引きおこす原因のウイルスで、学級閉鎖の引き金になることもあります。
パラインフルエンザは、
- 飛沫感染
- 接触感染
が主な感染経路なので、予防には
- うがい
- 手洗い
- マスク
がとても有効です。
特効薬はないので、
- 咳止め
- 解熱
- 喉の痛み止め
- 吸引薬
などを処方する対処療法となります。
ニュースでは高齢者の施設での集団感染でしたよね。
高齢者も、乳幼児と同じく免疫力や抵抗力が弱っていることも考えられます。
ご家族にそういった方がいる場合、うがい・手洗い・マスクでしっかりとパラインフルエンザを予防してくださいね!
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